『aFFeTTo-アフェット- TwinBox作品集』

 『aFFeTTo-アフェット- TwinBox作品集』


この画集で最初に目につくのは、キャラクターを画面の手前へ強く引き寄せる構図のうまさだ。バストアップ、座りポーズ、寝そべり、こちらへ身を乗り出す姿勢。どの絵も、人物がただ中央に置かれているのではなく、体の一部が画面の縁にかかることで、鑑賞者との距離が近くなるように作られている。


特に身体の重心の置き方が面白い。膝を抱え、片足を崩し、上半身をひねり、髪を持ち上げ、手を胸元に添える。そうした小さな動作によって、キャラクターがポーズのために止まっているのではなく、いま動きの途中にいるように見える。肌や衣装の描き込み以上に、そこが絵の吸引力になっている。

線は柔らかいが、画面全体は曖昧になっていない。束ねられた髪、リボン、制服の縁、下着や水着のラインなど、視線を止める場所が細かく管理されている。塗りは甘く淡いのに、輪郭を拾うべきところではきちんと締めているので、淡色の画面でもキャラクターが背景に溶けすぎない。このバランスは見事だ。


TwinBoxの絵は、かわいさの方向が非常にはっきりしている。丸い目、小さな口、やわらかい頬、細い指、流れる髪。そこにリボンや花、透ける布、水滴、制服の金縁などが加わる。モチーフ自体は繰り返されるが、その置き方がどれも違うので、同じ甘さの中に違う温度を作っている。

露出の多い絵も多い。ただ、見どころは肌の量そのものではない。布が肌に触れる境目、太ももや肩にかかる光、髪が胸元や腕に重なる部分、そういう細部で画面を成立させている。直接的な強さよりも、柔らかいものが重なって生まれる密度が魅力になっている。


後半に進むと、キャラクターごとのまとまりが見えてくる。前田栞、七海優乃、和泉香織など、髪色や衣装だけで分けるのではなく、表情の作り方や距離感に差がある。とくに黒髪系のキャラクターは、淡い金髪やピンク髪のキャラクターに比べて、画面の中で少しだけ影が強くなる。その変化があるので、全体が砂糖菓子のような一色に流れない。

惜しいところを挙げるなら、顔の印象やポーズの型が近い絵はある。とくに正面寄りの構図が続く部分では、ページをめくる快感よりも、同じ魅力を別衣装で確認している感覚が少し出る。ただ、この画集の場合、その反復も作家性の一部になっている。TwinBoxが何を美しいと見ているのかが、何度も形を変えて戻ってくる。


『aFFeTTo』は、キャラクターの近さを楽しむ画集だ。絵の中の少女たちは、遠くの物語の登場人物というより、手を伸ばせば届きそうな距離に置かれている。その距離を作っているのが、構図、ポーズ、髪、布、肌の境界処理であり、そこにTwinBoxの技術がはっきり出ている。

甘く、明るく、やわらかい。しかし、ただ甘いだけではない。画面のどこを見せれば鑑賞者の視線が止まるのかを、よくわかっている絵師の作品集だった。


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