『Iberis -TwinBox画集-』

TwinBox『Iberis -TwinBox画集-』KADOKAWA、2022

TwinBoxの『Iberis』を見た。

TwinBoxは、日本に活動拠点を置く台湾人の双子の女性ユニットだ。


この写真集の魅力は単純な「かわいい女の子」だけではない。この画集で特に美しいのは、人物に重なる光の表現だ。室内に差し込む朝の光、雨上がりの白い光、夏の水辺、夕方の逆光、雪の反射。

その場の光をキャラクターの上に一枚かぶせることで絵の空気を作っている。特に白や薄いピンク、青系の絵ではこの傾向が強い。

背景を細かく描き込んでリアルな空間を作るというより、光、花びら、水滴、反射などを重ねて一瞬を立てている。だから静止画なのに時間が動いているように見える。「夏の午後」「雨の日」「秋の夕方」といった短い場面が一枚の中に閉じ込められている。


衣装もよい。特に白。真っ白には塗らず、周りのピンクや青や肌の色を薄く拾わせているので画面が散らからない。制服、水着、ルームウェア、ドレス、チャイナ風衣装、和装など種類そのものも多いが、それ以上に布をどう見せるかにかなり力が入っている。

露出の多いイラストもかなり収録されているが、単純に肌を見せるというより、肌と布との境界をどう綺麗に見せるかが絵のポイントになっている作品が多い。


章でいうとORIGINALが一番よかった。仕事絵は条件があるぶん整っているけれど、オリジナルのほうが好きなモチーフが露骨で、リボン、花、水、雨、教室、その反復を眺めているのが楽しい。

NOVEL以降は入り込めなかった。複数人を置いた構図や場面としての絵は、技術的には前半より難しいことをやっているはずなのに、どうも自分が見たいのは一人が光の中に立っている絵らしい。めくりながらそれがはっきりした。

ライナーノーツは最後にひととおり読んだ。オリジナルだと思っていた絵が仕事絵だった、というのが何枚かあって、そこは少し悔しい。

振れ幅は狭い。重い絵も暗い絵もない。だかそこがいい。


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